戦前少女雑誌付録の詩集
今年2月に出版された中原淳一本。
こちらは戦前少女雑誌の資料本としても、貴重な資料です。
私が中原淳一を知ったのは、30年近く前になります。
当時出版されたムック本を熟読し、
気になって仕方が無かったのが(付録本の内容)でした。
本書は中身も数頁紹介しているので、その点でも有難い一冊です★
中原淳一が発案した=紙の玉手箱=
戦前「 少女の友 」誌の美しい付録の数々。そのひとつは「詩集」でした。
「少女の友」 誌付録 「 詩集 わすれなぐさ 」
当時の技術を駆使した、見事な仕上がり。
昭和9年発行のちいさな付録が、型押しの表紙で作られているのです(!)
全50頁のうち、詩とイラストが8編収録。他頁はメモ帖となっています。
同じ昭和9年には「 少女画報 」からも詩集の付録が発行されています。
こちらは「 少画手帖 」という名の通りに、とても簡素な作り。
その代わり・・・・・内容にはこだわりがありました!。
詩の他には、各月毎に( ○月の言葉 )と( 花言葉 )が収録。
手帖の頁すべてに短歌が記されています。
巻末には、読者少女へのメッセージが綴られていました★
~~~ あなたの美しい無言のお友達として、この少画手帖をお贈りします。
優しいお約束、若き日のあなたの夢とあこがれを、又は懐かしいお友達のアドレスをつ々ましく書きとめるために、あなたは片時もこの手帖を離さないで下さい。 ~~~
詩集手帖に収められた( 詩 )( 叙情画 )( 花言葉 )
読者が書き込む( アドレス )( 言葉 )の数々・・・・・。
紙製の付録に広がる世界は、少女たちの聖域でした。
戦前少女たちが手にした、少女雑誌と付録と詩集。
そして小説「花物語」
手が届かない過去の品々に、強い憧憬を抱いた学生時代。
~~~ 数十年を経て手にした(現物)を、
どうにかしてあの頃の私に届けたい! ~~~
叶うはずのない願いは結晶となり、
(詩集)というカタチなったようにさえ 思えてくるのでした☆★