セーラとエミリー ①

 =完訳版・小公女(上)(下)= 偕成社文庫 作・バーネット 訳・谷村まち子

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原作のセーラは( 豊かな黒い髪で、毛先だけが縮れていた。)(年にしては背が高く、ほっそりとしていた。)

そんなのセーラのイメージにぴったりな挿絵を描いたのは、小谷 智子さんです。

自分を( みにくい少女だとかたく信じていた )セーラ。

《 セーラ・クルー = 子供時代のバーネット本人 》という説を、うかがわせる一節です。

この作品には、しばしば「 子供らしさがなく不自然 」という指摘が見られます。
実際、確かにセーラは( 成人した大人の女性 )のようです。

作者バーネット女史本人が、セーラのモデルという説。
あまりにも賢く、鋭い洞察力を備えたセーラは大人には敬遠されがちであったかもしれません・・・。

※この作品の書評は語りつくされているので、ここでは「 エミリーちゃん 」との関わりにのみ留めます。

~~~ 物語の冒頭で、エミリーちゃんへの夢を語るセーラ。~~~

( エミリーというのは、まだ持っていないお人形です。(中略)エミリーがあたしのお友達。いろいろお話したいんです。)

 原作でのエミリーちゃん= とても重要な役割 =なのです。
セーラの「 子供&少女らしさ 」を引き出す意味合いでもあるのでしょうか。

これまでのイメージでは、エミリーちゃんを抱きかかえてミンチン女学校に入学でした。

原作には、お父さんと一緒に「エミリーちゃん探し」をするシーンが、豊かに描写されています☆。

( セーラはとつぜん飛び上がって、父の腕にすがりつき「おとうさま、あそこにエミリーがいるわ!。」と叫んだ。)

( セーラの顔は、ぽっと上気した。そして、その灰色がかった緑色の目には、大好きな人を見つけたような表情がうかんだ。)

(「 エミリーが私たちを待っているわ。行きましょう。」)

~~~ こんな人形との出会いは、コレクターがいつも思い描いている渇望。~~~

( 「 あの子のほうでもきっと、私たちのことを知ってるわよ。」)

( たぶんエミリーは、セーラのことを知っていたのだろう。セーラが抱くと、いかにもいきいきとした表情をしたから。)

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~~~ 生涯、追い続けるかもしれない「Day Dream」です。~~~

( もちろん、これがエミリーですわ。お父さま。)

その晩大尉は、娘の寝室を覗きます。エミリーと一緒に眠っているセーラ。

( セーラの黒い髪の毛は、まくらの上に広がって、エミリーの金髪とまざりあっていた。)

少女と人形。永遠のモチーフであり、とても微笑ましい光景です・・・!。(*^_^*)

☆ 続く ☆