少女純情詩集

 
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【 少女純情詩集 】 著者 西條 八十
 発行 昭和七年  
 
戦前から長く活躍した詩人・作詞家の<西條八十
 
「花嫁人形(蕗谷虹児)」に並ぶ、戦前の代表的な少女詩集です。
 
※ 昭和59年復刊版 国書刊行会 ※
 
 
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こちらの詩集は、
ビロード貼りで金彩の花模様が施された贅沢な装丁。
 
挿絵も多く、全頁「オフセット美術印刷」
少女詩集として、なかなか豪華な作りとなっています。
 
当時のカラー広告 ※ 少女倶楽部 付録裏面に掲載 ※
 
 
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詩集は女学生にとって、手紙に続く大切な宝物。
 
私の学生時代に復刊された、「少女純情詩集」 
遠い時代の女学生たちの心情に、すこしだけ近づいた気持ちになれました★
 
 
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その後・・・・・、
オークションで偶然に当時物を見つけました。
 
※ 昭和7年 講談社発行 金彩の角度が違います ※
 
 
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朱色の紙片が貼り付けられています (画像一部カット)
これは持ち主さまの=蔵書票=
 
愛読書に貼るシールのようなもので、
白樺の下に、丁寧な文字で氏名が記載されています。
 
そして、詩集を開いてみたら、
紋章を施したような(押し花の跡)が残されていました・・・・・!
 
 
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花の章に合わせて挟んだのでしょう。
お気に入りの詩篇だったのかもしれません☆
 
 
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数頁に渡って形が滲み、スーベニール(記念のしるし)となった押し花。
 
少女純情詩集には、その名の通りに
優しい乙女心が封じられていました・・・・・★
 
 
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この詩集の驚きはこれだけではありませんでした。 
最後の頁に、こんな一筆が・・・・・!
 
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「 昭和八年七月十八日 文明堂ニテ買求ム 」
 
文明堂!? (@_@)
 
盛岡市・肴町に昭和40年代末まで存在していた「文明堂」
 
大正時代の近代建築であった老舗書店で、
木彫りの大きな看板を掲げていました。
 
昼でも真っ暗な店内。点在するランプの明かり。
本が並べられた平台の書棚。
 
何十年も時が止まったような書店の奥で、 
店主と思われる眼鏡のお爺さんが
気難しそうに座っていました。
 
当時小学1年生だった自分は、
すでに古い時代と文化に惹かれていたのでしょう。
 
両親に連れられて一度だけ入った文明堂を、
はっきりと記憶しています。
 
決して子供が入れる雰囲気ではなかった古い書店。 
数年後に文明堂が廃業すると知った時、
真っ先に思い浮かんだのは、あのお爺さんの姿でした、、、、、 
 
この詩集が、盛岡の文明堂で購入した品なのか。
その答を知る術はないけれど。
 
出品者がお隣=宮城県の方なので可能性は高いかも・・・・・? 
 
     
 
詩集を愛読し、押し花を挟んだ(少女)
 
時が止まった異世界のような、古い書店。
 
ふたつの面影を結び、自分の手元に届いた詩集。
 
それが「少女純情詩集」であることに
 
巡りあわせと嬉しさを感じるのです・・・・・☆★
 
 
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