「美に魅せられて~美しい物・美しい人々~」

 
イメージ 2
 
「 美に魅せられて ~美しい物・美しい人々~ 」 著者 帯 正子 婦人生活社 
 
昭和58年( 1983年 )出版 ※ 絶版のため古本としてご紹介します ※
 
    
 
イメージ 1
 
    
 
本書は、伝統工芸・無形文化財・現代美術。
各分野で活躍される作家・職人の方々へのインタビューエッセイ。
聞き手=作者である「帯 正子」さんご自身の回想録でもあります。
 
通常の資料本と少し異なっているのは、女性目線から切り込んだ筆によって、
作家さんとご家族との関わりが重視されていること。
各作品に合わせて、帯正子さんの思い出話。
関わってきた人々の物語が綴られていることです。
 
そしてこれが「 凄み 」さえ感じるエピソードでした・・・・・!!
 
戦前の上流家庭は、現代以上に恵まれた特権階級。
それでも現代では考えられないような、理不尽さが横行していた時代。
身分の違い。複雑に入り組んだ縁戚関係での人間模様、、、、、
 
肝心の作家さんたちへのインタビューが、すぐ頭に入ってこなかったくらい(汗)、
壮絶ともいえる、人々のさまざまな生き様が綴られていました、、、、、
 
    
 
「 美に魅せられて 」で紹介されている人形は
「 市松人形 (岩村一茂) 」「 泥人形 (高松茂子) 」「 葉瑠あねさま (望月葉瑠) 」
 
お亡くなりになった作家の方もあり、著者の帯さんもご存命ではありません。
発行から既に30年の歳月が流れたことを思い知らされます。
 
長すぎる人生のなかで、「 美しい物 」を遺すことができるのか。
そして、「 美しい人 」になれるのか。
 
一篇づつ、ゆっくりと時間をかけて、本書を読み終わった時。
素晴しい作品以上の何かが、ずしりと響いてくるようでした、、、、、
 
 
イメージ 3
 
 ※ 帯正子さんは、元キャスター帯淳子さんのお母様です。※