モダン婦人の人形帖
戦前の手芸雑誌では、
婦人向けの雑誌により多くの(可愛い)作品が掲載されていました。
【 流行新手手藝全集 】
※ 昭和8年 婦人倶楽部 付録※
タキシードを纏った大きなキューピーさん。
この表紙で有名な、B5版の手芸帖は、
頁一枚が(見開き)で構成されています。
裏面に作り方が載っていて、
総頁数は120頁。
戦後のふろくよりも、遥かに贅沢な作りです!。
「 流行のフランス人形三種 」
フランス人形の最初の流行は、実は・・・・・戦前なのでした。
※ 昭和十年代には「すみれ人形」という名称でも呼ばれたそうです ※
当時のフランス人形はなんと手作りが主流です!。
この技術が戦後の「さくら人形」へと繋がっていきます。
ご婦人用の手芸では、少女雑誌よりもずっと可愛い作品が紹介されていました。
もちろん、子供たちに向けての手作り玩具です♪
( クレープペーパーを使ったキューピー手芸 )
この全集の( 代表作品のひとつ )と言っても良い、キューピーさん手芸。
クレープペーパーで、華やかに作られています!
右 「 モダーンなフランス人形の壁掛 」
フランス人形の(マスク)を利用した壁掛け。
女性の顔部分を手工芸に現すのは、
当時の世界的流行だったようです。
左 「 可愛らしいキューピーの置物 」
クレープペーパーは立体を作る際に、とても重宝したようです。
当時はモダンな素材でもあったのでしょう。
「 毛糸洋服を着せた可愛らしいキューピー 」
いくらキューピーさんでも、お寒いときに裸でおいては可哀相です。寫眞のように編んで着せてください。
※本文より※
毛糸ドレスのキューピーさん♪
ミニのドレスと帽子は、レビューガールをイメージしたのでしょうか。
現代でも現役のキューピーさんの毛糸ドレスは、
この当時(昭和8年)に作られていたのですね。
まさか戦前からの手芸とは思わなかったので、
その長い歴史に驚きました!
( セルロイドの玩具を利用した人形 )
ちょっとユニークな人形たち
(セルロイドの玩具)とは、ガラガラでしょうか。
物の乏しい時代も、工夫を凝らして手工芸を楽しんだのでした。
中央 「縫いぐるみのベビー人形」 右 「小鳥の仮装」にセルロイド。
左 「人形の小物袋」では、フランス人形用のマスクを利用しています。
こんな手作り玩具を与えられたら、子供たちは大喜びだったでしょう(^^♪
この手芸全集では100種以上の手芸が掲載されています。
現代も馴染みのある(編み物)(刺繍)(ビーズ細工)
現代では考え付かない、材料の工夫とユニークな趣向がとても興味深いです。
「美しいもの」「可愛いもの」を、自らの手で編み出したモダン手芸。
ご婦人たちの手芸は、現代よりずっと大きな意味があったのだと思うのです。
作り出す工程と、完成した時の喜び。そして何よりも家族のために・・・・・!☆★