戦時下の布人形

イメージ 1

8月と年末には、必ず昭和史の特集が組まれます。
特に終戦の8月。盛夏ですが、戦争の記憶を嫌でも考えなければならない季節です・・・。

昭和52年頃だったでしょうか。小学4年生の夏休みに 「懐かしの映像」がテレビ放送されます!
当時からその手の映像が大好き!(^o^)丿。ワタシは古い光景を楽しみながら♪番組を見ていました。

それでも、戦時中の疎開児童の映像には、辛く、苦しく、身が縮む想い。(・_・;)

自分と同じ年頃の子供たちが徹底的な監視下におかれ、苦しい環境で過ごしているのには胸が痛みます・・・。

テレビの画面では、オカッパ頭の少女たちが、ままごとをしている姿が映し出されました。
続いて、ちいさな手でお人形を作っている映像です。 

ボロキレと言っていい布に、筆でお顔を描く子供たち。
物資不足で品質がかなり悪いのでしょう。描いた時から、目と口を描いた墨汁は滲み、ぐちゃぐちゃ。

すでに朽ち果てたような、あまりにも痛々しいぼろぼろの布人形。

そんな人形を少女たちは、端切れで出来たお布団に、大切そうに両手で寝かせつけているのでした・・・。

= その映像は、当時10歳だったワタシの胸を突きました。=

商店街が元気だった昭和40~50年代。問屋街で育ったため、物心ついたときから、周りには欲しいモノばかり。
リカちゃんも、サンリオもキャンディも、欲しくて欲しくてタマラナイ・・・!。

破裂しそうに苦しんで(?)ばかりだった自分にとって、30秒ほどの短いドキュメントは、ありふれたお説教以上に訴える力があったのです・・・。 

~~~~~~~~~~~#~~~~~~~~~~~~~~#~~~~~~~~~~~~

既に、終戦から60年が過ぎました。(2008年現在)
歴史問題、戦争責任問題については、私などが意見を語れることではありません。

ワタシには、あの厳しい時代を経験された人々が、終戦後には幸せな生涯を歩んでいて欲しい。
これからも、平和なこの国であって欲しいと、ただ祈るのみなのです。

疎開先で、ボロボロの布人形に愛情を込めていたあの少女たち。その後はどのような人生を過ごされたのでしょうか・・・?。
どうか、現在もお元気で平和な毎日を過ごされていますように!。

8月が来る度に、切なく思い出す人形です。。。 

※ 2005年記載 本サイト「人形浪漫館」記事より加筆・修正を加えて転記しました。